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事案の概要
旅行業を営む事業者から、当該事業者が顧客に販売した航空券に関する航空便が運行休止になり、その後の対応について当該事業者の適切な対応があったかをめぐって、当該顧客から損害賠償を求める訴訟を起こされたとのご相談がありました。
解決の内容
裁判で、相談者が規定していた利用規約や、旅行業者が負う義務の範囲についての法令等を示しつつ反論したほか、相談者側が法令上求められる注意義務を果たしていることを主張立証した結果、相談者側の主張が認められ、賠償義務はないとの判決を得ました。
解決のポイント
本件での顧客からのクレームは、利用規約の規定上、事業者が責任を負わないものと解釈できた事案でした。もっとも、利用規約に具体的に規定されていない点も問題となった事案であったため、民法などの法令上も事業者側に落ち度がないか確認のうえ、落ち度がないことの具体的な証拠を提出しつつ反論したことで事業者側の主張が認められた事案でした。顧客からのクレームがあった場合には、利用規約のほか、事業者に適用される業種ごとの法令や民法などの法令も確認し、違反の有無を確認していくことで適正な対応をしていくことが重要です。
事案の概要
相談者(Aさん)の母親が亡くなったところ、母親は遺言で自宅不動産についてAさんの妹(B氏)に相続させるという公正証書遺言を残していました。しかし、AさんとB氏の間では、遺言の内容に関わらず、全ての遺産を姉妹で2分の1ずつ分割する前提で遺産分割協議を進めていました。そのため、AさんとB氏は、相続財産の一部である預貯金(約2200万円分)を2分の1ずつ分配しました。
しかし、その後、B氏は、上記の公正証書遺言を使い、Aさんに無断でB氏名義に母親の不動産の所有権移転登記を行いました。
Aさんは今後どのように対応したらいいのか弊所に相談されました。
解決の内容
遺産分割調停の申し立てをし、調停の場で、半年間ほど審理を重ねた結果、AさんとB氏との間で分配済みとなっていた預貯金2200万円分については、そのままAさんが1100万円、B氏が1100万円を受領することで合意したうえで、未分割であった遺産(総額約350万円)についてはほぼすべてをAさんが相続することに加え、約650万円の解決金をB氏からAさんに支払ってもらうことを条件に、B氏が遺言で移転登記を行っていた不動産(時価5500万円)についてはB氏の単独所有とすること等を内容とした調停合意が成立しました。
解決のポイント
本件はAさんとB氏の協議により全ての遺産を2分の1ずつ分割するつもりで、遺産の一部である2200万円分の預貯金について、B氏が1100万円を受領してしまった後に、不動産の分割方法等に争いが生じ、B氏が遺言を使用して不動産の移転登記を行ってしまったため、既にB氏の手にわたっていた預貯金1100万円の返還をAさんが請求できるのかといった点等が争点となりました。
こうした点について、時間をかけて訴訟手続きで争うことも検討しましたが、Aさんとも協議した結果、Aさんも紛争が長期化することは望ましくないと考えたことや、B氏も一定の歩み寄りを見せたことなどから、調停申し立てから6か月ほどで上記の内容での和解による解決が成立しました。
事案の概要
相談者は、数年前に離婚をし、その際に元妻との間で、子供4人の養育費として、月々合計20万円ほどの養育費を、子が成人するまで支払う合意をしていました。
しかし、離婚後に再婚し、再婚相手との間で新たに子を2人もうけたため、過去の養育費の支払い合意で取り決めた支払額を減額できないかということで当事務所に相談に来られました。
解決の内容
当事務所の弁護士が、家庭裁判所に養育費の減額調停を申し立て、養育費の合意をした時点からは事情が変更したとして、元妻と合意した月々の養育費額を、数万円減額されるべきであることを主張しました。
その後、調停で複数回にわたり交渉を重ねた結果、元妻側から、養育費を一括で支払ってくれるのであれば、当方が主張する減額幅を認めるとの提案があったため、依頼者と協議のうえ、上記提案に応じることで調停和解が成立しました。
解決のポイント
本件は、離婚時に元妻と相談者が合意した養育費の支払い額は一般的な相場額よりも高額であったため、合意後に再婚相手との子供が生まれた場合に、どの程度養育費の減額が認められるのか、また離婚時に再婚相手との子供が生まれることが予見できたのではないかといった点も問題となり、そもそも減額すること自体が認められるのかといった点も争点となりました。
当方は、養育費の減額がなされるべき事情を主張し、相手方弁護士からは反論もなされましたが、調停での話し合いを重ねる中で、前倒しで一括で受けとることは元妻側にもメリットがあったため、上記のように受け取る総額については減額を認め、一括で支払いをするという合意が成立するに至りました。
事案の概要
相談者は、夫の不倫相手に慰謝料の請求をご自分で請求しようと話しあいをしてきましたが、不倫相手の女性と途中から連絡がつかなくなったため、当事務所に相談に来られました。なお、相談者は相手方が自営業をしているためその事務所の住所は把握されていましたが、自宅の住所は把握していませんでした。
解決の内容
慰謝料の請求を求める内容証明通知を、相手方の事務所宛てに送付したところ、相手方の代理人弁護士からは、30万円ほどの慰謝料を分割でしか支払えないなどの回答がありましたが、その後、交渉を重ねていく中で最終的には80万円の慰謝料を一括で支払うということで和解をするに至りました。
解決のポイント
不貞の慰謝料請求を行うにあたっては、相手方への連絡方法の選択や、不貞行為自体を相手が認めているのかといった問題のほか、認めているとしても慰謝料の金額や相手方に支払うだけの資力があるのかなど、様々な考慮要素があります。
本件では、裁判を提起した場合の見通しや費やす時間や費用等も考慮し、裁判を提起する前の話し合いの段階で、依頼者と協議した結果、上記の内容で、早期の和解を締結するに至りました。
事案の概要
相談者は過労により倒れ、三年ほど働いていた会社を数日間、無断欠勤してしまったことなどを理由に、会社から退職を求められ、自主退職したことにされてしまいました。
しかし、相談者は自身に退職する意向はないのに退職扱いとされてしまったことは違法であり、退職を無効として争いたいとして、弊所に相談されました。
解決の内容
裁判所に、退職手続きの無効を確認するとともに、退職扱いとなった時点以降の賃金の支払いを求める訴訟を提起しました。
その結果、400万円の解決金の受領と引き換えに、退職自体は相談者と相手方会社の合意退職とする内容の和解が成立しました。
解決のポイント
本件では、従業員であった相談者と会社の間で明確な退職の合意がなかったにもかかわらず、会社から退職扱いとされてしまった事案でしたが、相談者の意向として一定の金員を受領するのであれば復職自体はしなくてよいとのものであったため、上記の内容の和解により解決することとなりました。
本件のように、退職手続きや解雇の無効を争う場合には、復職を第一優先で考えるのか、一定の金銭的解決が可能であるのかといった点の相談者の意向や、裁判での勝訴の確率等も勘案したうえで和解により解決するか、判決を求めて手続きを進めるかを判断していくことが重要と言えます。
事案の概要
相談者は会社を経営していましたが、毎月の赤字が続いたため、会社としての事業は廃止していました。しかし、相談者個人が事業のために借り入れた資金の返済もできなくなったため、自己破産を希望とのことで、弊所に相談されました。
解決の内容
相談者から事情を確認したところ、事業を廃止していた会社についても債務超過であることが明らかであったため、相談者個人と、会社のいずれについても同時に自己破産の申し立てを行い、個人については免責決定を得るとともに、会社については消滅させることで破産処理が完了しました。
解決のポイント
法人の破産を申し立てるにあたっては、原則として、法人の決算内容等の説明が求められます。
本件では法人が確定申告書等の資料を一部保有していなかったことなどから、決算内容が分かる資料を相談者から提出してもらうなどして、申立て前に弊所が確認、整理をするなどしてから、申立てを行いました。
こうした資料の整理等を事前に行えたことで、裁判所と管財人にも破産手続きをスムーズに認めてもらうことができた事案でした。
事案の概要
相談者はご夫婦で相談に来られました。夫が不貞行為をしてしまい、相手方も既婚者であるため、妻としては夫の不倫相手に慰謝料を請求したいとのご希望とともに、夫としては相手方の夫からの慰謝料請求について対応を依頼したいとのことで弊所に相談されました。
解決の内容
相談者夫妻、相手方夫妻との間で、相手方の妻が相談者の妻に慰謝料250万円を支払い、相談者の夫が相手方の夫に同額の慰謝料を支払うことを主とした内容の四者間合意を取り付けることで解決に至りました。
解決のポイント
既婚者同士の不貞事案の場合に、本件のように相談者側も、相手側も離婚をする意向がない場合には、夫婦を一体とみて、相手方の夫婦との間で慰謝料の支払い義務等について話し合いをする方が早期の解決に資することもあります。
本件では、相談者の妻が夫に自身の行動の責任を感じてほしいとの希望であったため、実際に250万の慰謝料を相手方に振り込んでもらい、後日相談者側も同額を相手方に振り込むという形をとりました。
事案の概要
相談者の母親が亡くなり、相続人は相談者のみでした。母親には未払いの負債があるほか、不動産を所有しているようでしたので、相続した方が良いのか、相続放棄をした方が良いのかを弊所に相談されました。
解決の内容
調査の結果、不動産を相続し、売却することで得られる金額が債務額を上回ったため、相談者は相続されることを選択されました。
相続した不動産については、売却に関しても弊所弁護士が代理人となり、買主候補と交渉をし、売買契約が成立しました。
解決のポイント
相談の当初、相談者は相続放棄をお考えでしたが、遺産の中に不動産があったため、売却価格次第では負債を相続しても収支がプラスになる可能性があるのではないかと判断しました。
その後、弊所が提携する不動産会社に上記不動産の簡易査定を依頼した結果、ある程度の価格で売れることの見通しがついたため、買主候補との間で売却交渉を行った結果、負債を上回る金額で売却ができました。
相続放棄を行うにあたっては、一定の期間内に放棄をするか、相続をするかを決めなければならないため、早めに遺産と負債の総額の目途をつけることがポイントと言えます。
事案の概要
相談者は不倫関係にあった女性の夫から500万円の慰謝料を請求する通知を受け取り、どのように対応すればいいか、弊所に相談されました。
解決の内容
慰謝料を100万円に減額して示談が成立しました。
解決のポイント
本件で依頼者は、早期に話し合いで解決することを希望されていたため、裁判になる前の交渉でなるべく早期に和解ができるように交渉しました。
その結果、当初の相手方の請求額よりも大幅に減額のうえ、2か月足らずで和解が成立するに至りました。
事案の概要
相談者は個人事業主でしたが、事業がうまくいかなくなり、金融機関等からの運転資金の借入金の債務(数社を合計して約4900万円)の返済が滞るようになるとともに、住宅ローンの返済も困難な状態になっていました。
相談者は住宅は残したままで、何とか事業の運転資金についての返済負担を軽くできないかと弊所に相談されました。
解決の内容
相談者のお話を伺ったところ、債務額を圧縮したうえでの分割払いであれば何とか返済の目途が立つとのことであったため、自宅を残したまま法的整理手続きを行える方法として個人再生手続きの一種である給与所得者等再生を図ることになりました。
その結果、住宅ローンを除いたおよそ5000万円の債務をその10分の1である約500万円にまで減額したうえで、これを5年間の分割払いとする再生計画が裁判所に認可され、債務を圧縮できたうえ、自宅を失わずにすみました。
解決のポイント
本件で利用した給与所得者等再生手続きは個人再生手続きの一種であるため、個人の方であり、かつ債務総額が5000万円以下(住宅ローン分は除く)の場合でなければ利用できない手続きでした。
依頼者は、申立時点で債務総額が4900万円程度であったため、申立が遅れてしまうと遅延損害金が加算される結果、上記の5000万円以下という要件を満たせなくなるおそれがあったため、申立てを急いで行う必要がありました。
また、本件では、大口の債権者が再生手続きを行うことについて当初から明示的に異議を唱えていたため、通常の個人再生手続き(小規模個人再生手続き)を行った場合には、当該債権者からの反対により手続きが頓挫することが明らかな事案でした。
本件では、こうした大口債権者から反対をされても手続きが進められるように、通常の個人再生手続きよりも要件の厳しい給与所得者等再生という手続きを取りました。
そのため、依頼者が自営業者であるものの、副業により安定的な収入が得られること等についても説得的な資料を裁判所に提出する必要がありましたが、無事に要件を満たしていると裁判所からも認定されたため、上記の結果を得ることができました。