解決事例(法人破産・事業再生)
事案の概要
相談者は会社を経営していましたが、毎月の赤字が続いたため、会社としての事業は廃止していました。しかし、相談者個人が事業のために借り入れた資金の返済もできなくなったため、自己破産を希望とのことで、弊所に相談されました。
解決の内容
相談者から事情を確認したところ、事業を廃止していた会社についても債務超過であることが明らかであったため、相談者個人と、会社のいずれについても同時に自己破産の申し立てを行い、個人については免責決定を得るとともに、会社については消滅させることで破産処理が完了しました。
解決のポイント
法人の破産を申し立てるにあたっては、原則として、法人の決算内容等の説明が求められます。
本件では法人が確定申告書等の資料を一部保有していなかったことなどから、決算内容が分かる資料を相談者から提出してもらうなどして、申立て前に弊所が確認、整理をするなどしてから、申立てを行いました。
こうした資料の整理等を事前に行えたことで、裁判所と管財人にも破産手続きをスムーズに認めてもらうことができた事案でした。
事案の概要
相談者は個人事業主でしたが、事業がうまくいかなくなり、金融機関等からの運転資金の借入金の債務(数社を合計して約4900万円)の返済が滞るようになるとともに、住宅ローンの返済も困難な状態になっていました。
相談者は住宅は残したままで、何とか事業の運転資金についての返済負担を軽くできないかと弊所に相談されました。
解決の内容
相談者のお話を伺ったところ、債務額を圧縮したうえでの分割払いであれば何とか返済の目途が立つとのことであったため、自宅を残したまま法的整理手続きを行える方法として個人再生手続きの一種である給与所得者等再生を図ることになりました。
その結果、住宅ローンを除いたおよそ5000万円の債務をその10分の1である約500万円にまで減額したうえで、これを5年間の分割払いとする再生計画が裁判所に認可され、債務を圧縮できたうえ、自宅を失わずにすみました。
解決のポイント
本件で利用した給与所得者等再生手続きは個人再生手続きの一種であるため、個人の方であり、かつ債務総額が5000万円以下(住宅ローン分は除く)の場合でなければ利用できない手続きでした。
依頼者は、申立時点で債務総額が4900万円程度であったため、申立が遅れてしまうと遅延損害金が加算される結果、上記の5000万円以下という要件を満たせなくなるおそれがあったため、申立てを急いで行う必要がありました。
また、本件では、大口の債権者が再生手続きを行うことについて当初から明示的に異議を唱えていたため、通常の個人再生手続き(小規模個人再生手続き)を行った場合には、当該債権者からの反対により手続きが頓挫することが明らかな事案でした。
本件では、こうした大口債権者から反対をされても手続きが進められるように、通常の個人再生手続きよりも要件の厳しい給与所得者等再生という手続きを取りました。
そのため、依頼者が自営業者であるものの、副業により安定的な収入が得られること等についても説得的な資料を裁判所に提出する必要がありましたが、無事に要件を満たしていると裁判所からも認定されたため、上記の結果を得ることができました。